数値表の使い方

・二項分布

 が二項分布に従うとき,の確率はで与えられる.

 この表は,の値に対し,となる確率を与えるものである.

 表側(表の左の見出し)にはの値,表頭(表の上の見出し)にはの値が与えてある.

 例えば,の二項分布で,となる確率は,が12の部分のが8の行を右に見て行き,表頭のが0.20の列から下がってきたところの値0.0006となる.

 のときは,の代わりにの値を使って表からの値を求め,

     

により計算する.

 のときは,平均,分散の正規分布で近似する.

 のときは,のポアソン分布で近似する.

 例えば,のとき,を求めるには,平均,分散の正規分布で近似する.

     

とすると,は近似的に標準正規分布に従う.したがって,



 (の分布を連続確率分布で近似するので,でなく,となる確率を計算する.)


・ポアソン分布

 この表は,が平均のポアソン分布に従うとき,の値に対して,となる確率を与えるものである.

 例えば,平均のとき,となる確率は,の列を下に見て行って,の値が5の行にある値0.1088を読む.となる確率は,



となる.


・正規分布(1) 確率密度

 この表は,の値に対する標準正規分布の確率密度


の値を与えるものである.表側にはの値を小数第1位まで,表頭には小数第2位を与えてある.

 例えば,に対する確率密度は,表側が1.9の行を右に見て行き,表頭が0.06の列を下がってきたところの値.05844を読む.

 が平均,分散の正規分布に従うとき,とおくと,は標準正規分布に従う.の確率密度は,の値を計算して,そのの値に対する確率密度を表から読み取ればよい.


・正規分布(2) 右側の確率

 この表は,の値に対する標準正規分布の右側の確率の値を与えるものである.表側にはの値を小数第1位まで,表頭には小数第2位を与えてある.

 例えば,の値は,表側が1.9の行を右に見て行き,表頭が0.06の列を下がってきたところの値.02500を読む.

 左側の確率は,



となる.

 例えば,

 が平均,分散の正規分布に従うとき,に従うので,となる確率は,

     

から計算する.

 例えば,が平均10,分散4の正規分布に従うとき,となる確率は,



 この表の下段にある表は,の値に対して,右側の確率となるの値を与えるものである.両側確率を与えての値を求めるには,その確率の1/2に対するの値を求めればよい.


分布

 分布の右側の確率から,となるの値を求めるものである.両側確率からの値を求めるには,その確率の1/2の値についてこの表を用いる.

 表側には自由度が与えてある.自由度のときは,標準正規分布となる.

 自由度が大きいところでこの表にの値がないときは,表にあるその前後の自由度の逆数を使って補間する.

 例えば,自由度のときの右側確率が0.025となるの値は,の前後のの場合との場合を使って,次のように補間して求める.まず,


からを求め,





(カイ2乗)分布

 この表は,カイ2乗分布の右側の確率から,となるの値を与えるものである.表側にはカイ2乗分布の自由度が与えてある.左側の確率点,すなわちとなるの値は,右側の確率がとなるの値として求める.

表にない自由度に対しては,の逆数補間によって求める.例えば,に対しては,

     

     

     

     

     

 自由度が大きい()ところでは,が近似的に標準正規分布に従うことを利用して正規分布の表を用いる.


分布

 2つの表は,それぞれ分布の上側5%点,1%点を与えるものである.表頭には分子の自由度,表側には分母の自由度が与えてある.例えば,の5%点は,5%点の表で表頭のの値が10の列を下に見て行き,表側のの値が20の行を右に見て行って交わったところの値2.348を読む.

 表にない自由度に対しては,自由度の逆数について線形補間を行って求める.例えば,に対しては,の間で補間する.

     

     

             

             

 に対しては,2段階で補間する.まず,についての間で補間する.

     

     

             

             

     

             

             

 次に,についての間で補間する.

     

     

             

             

 下側の5%点(1%点)は,自由度を入れ替えてこの表から得られる値の逆数をとればよい.


・乱数表

 乱数表は,0から9までの数字をランダムに並べたものである.本書の乱数表は4ページからなり,各ページは45行×40列で,1,800個の数字を含む.これらは,何桁の数字として使ってもよい.

乱数の選び方

(1) ページを選ぶ.サイコロを振って,出た目の数により,例えば「2」の目であれば,2ページ目を選ぶ.「5」又は「6」の目が出た場合はサイコロを振り直す.

(2) 出発点を決める.目をつぶって乱数表の上に鉛筆を落とし,当たったところの2桁の数により行を決める(01~45のときはそのまま,46~90のときは45を引いた数字を用いる.91~99又は00のときはもう一度やり直す).同様にして列を決める.

(3) 乱数を選ぶ.例えば,3桁の乱数をいくつか選ぶ場合は,上で決めた出発点から出発して,数字を3個ずつ区切って行って3桁の数字を作り,それらを選ぶ.その行の右端に達したら次の行へ,ページの終わりにきたら次のページに移る.