「週刊大阪日日新聞」「大阪日日新聞」に大阪学習センター所長の教育対談の記事が掲載されました

2022年8月27日「週刊大阪日日新聞」「大阪日日新聞」に大阪学習センター金水所長と大阪教育大学長の教育対談の記事が掲載されました。新規タブで開く

大阪教育大と放送大の教育対談
地の利を生かし、教育コンテンツを共有、さらなる連携強化へ
人生100年時代に向けて多様な生涯学習を支援している放送大学大阪学習センター。コロナ禍で通信制大学の存在がクローズアップされた。一方、140年超の歴史と伝統を有し、わが国の教員養成を担ってきた大阪教育大学は、教員養成フラッグシップ大学として新たなスタートを切った。今回、ともに4月に就任した放送大学学習センター所長の金水敏さんと大阪教育大学長の岡本幾子さんに、教育対談をお願いした。
地域とのアカデミックな繋がりのパイプ役に
令和6年春、大阪市との合築棟完成で、地の利を生かす
事業の継続性と大学への恩返し
―就任の打診、推薦された時のご感想は
 岡本 国立大学法人は6年間を一つの期間として目標を定めています。今年4月からは第4期目が始まったのですが、本学では学長交替の時期と重なりました。私は前学長の下で昨年まで筆頭理事を務めていたこともあり、事業継続性の観点から、推薦をいただきました。悩みましたが、大学に恩返しできればという思いで手を挙げました。私は、人前に出るのが苦手でしたので、知人は「まさか、学長になるとは」と、驚いています。
代々の所長と懇意に以前から対面授業を担当 
 金水 大阪学習センターの歴代所長は大阪大学の、事務長は大阪教育大学の出身者が務めています。私がセンター所長になったのも大阪大学総長からの突然の指名でした。驚きましたが、私自身、7~8年前から本センターで対面授業をしており、代々の所長とも懇意でしたので、戸惑うことはありませんでした。
 ―放送大学は通信制大学ということですが
 金水 放送大学は、国民全体の生涯教育を目的とした全国規模の通信制私立大学です。ブロードキャスティングの授業が中心ですが、テレビ・ラジオだけでなくインターネットでも授業の配信をしています。また、放送授業ばかりですと、学んでいても孤独になるかもしれません。しかし、先生から直接受講できる対面授業も各都道府県の学習センターで開講しています。この授業では、学生同士同じように学ぶ仲間との出会いも生まれるだろうと思います。また、趣味を通じて人間関係を豊かにする学生もいます。大阪学習センターには公認サークルが18あり、学生の交流が盛んです。
 ―お二人の研究分野は
 岡本 色彩の研究をしています。しかし、デザイナーのような感性豊かな色彩を追求する、というのではなくて、モノの色を測って、数値化した色について応用研究をしています。「食べること」「住まうこと」「着ること」について、「快適性」や「安全性」などの観点から色彩研究を続けています。
私自身の本学での研究分野が生活科学領域ということもあり、新たに、生活色彩科学という研究領域をつくりました。
 金水 ユニバ―サルデザインですね
 岡本 はい。今は、ユニバーサルデザインを採用した教科書づくりがされており、ほとんどの教科書の裏表紙にカラーユニバーサルデザインの認証マークが表示されています。
 金水 私は「日本語の歴史」が専門です。その中でも、たとえば、「わしは、○○じゃ」という言葉を聞いたり読んだりすると、私たちは自然と、老人をイメージします。このように、特定の人物像を想起させる言葉遣いを「役割語」と名付けて研究しています。
 私の著作を読んだ落語家さんとも、天満天神繁盛亭で共演させていただいたことがあります。落語は、言葉遣いで登場人物を表現することもあり、私の研究に興味を持っていただいたと伺いました。
 ―学長になって生活の変化は
 岡本 副学長としては8年間、理事・副学長としては6年間、前学長と一緒に仕事をさせていただきました。特別変わったという感じはないですが、このように、他の組織の代表者や新聞記者とお話する機会は昨年度まではほぼなかったですね。
 金水 現在、国立大学法人の学長、総長で、女性は全国で何人おられますか。
 岡本 4人です。本学では初めての女性学長です。
 ―お二人の趣味は
 岡本 私は体を動かすのが好きですね。今は忙しくて行けないですが、スキーが好きです。本学では、教育の一貫としてスキー実習がありました。実は、この大学の教員になれば学生と一緒にスキーができるな、と考えたことも勤務先に選んだ理由の一つです(笑)。
 金水 私はパフォーマンス系が好きで学生時代から歌舞伎を鑑賞していました。今は文楽です。文楽専用の劇場は発祥の大阪にしかありません。語り手の文楽太夫(たゆう)さん、人形遣いの方も面識があります。来年からこのような方々を対面授業講師としてお招きしたいと思っています。上方落語を組み込んだ授業もできればと構想を膨らませています。
 ―大阪教育大学は、教員養成フラッグシップ大学に指定されましたね
 岡本 文部科学省が「令和の日本型学校教育」を担う教師の育成を先導し、教員養成のあり方自体を変革していく大学を公募し、本学が教員養成フラッグシップ大学に指定されました。本学は、「ダイバーシティ大阪の諸課題に応え、学習者の学びに寄り添う教師の育成」をテーマにしています。大阪は、ヤングケアラー、貧困、いじめなど、いろんな意味で日本の縮図です。大阪の教育課題をクリアできれば日本の教育課題解決のモデルを示すことができると考えています。
 また、放送大学が先行している遠隔授業のように、質の高い通信教育をいかに提供していくか、という課題があります。一つの大学で質の高いコンテンツを数多くつくるのは難しく、放送大学にご協力をお願いしたいと思っています。
 金水 放送大学本部で作成している放送授業は本格的な放送機材を使っています。内容は練り上げられ質が高く分かりやすいです。リカレント教育や資格取得関係も増えてきています。私も、さまざまな大学と提携してコンテンツ共有を進めていければと願っています。
 岡本 本学の天王寺キャンパス内に、放送大学大阪学習センターも設置されています。さらに、令和6年春には大阪市との合築棟が完成します。この地の利を生かしてお互いに様々な連携ができると思っていますので、よろしくお願いします。
 金水 先にも話しましたが、本センターは、大阪大学と大阪教育大学の2つの大きな大学に支えられていますので、連携の強化は希望するところです。本センター所長の役目の一つに、地域とのアカデミックな繋がりのパイプ役になるとあります。こちらこそよろしくお願いします。
放送大学大阪学習センターは、大阪教育大学天王寺キャンパス中央館の6・7階にある

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