麻木久仁子が面接授業をリポート!
~第1弾「静岡の特産農作物ミカンを知る」~

2023年に放送大学に入学し、1学期で履修した4科目すべての成績が最高評価だった麻木久仁子さん。さらに意欲的に学習を進めるものの、放送授業やオンライン授業での学習ではどうしても孤独になりがちに。そこで「もっと学びの仲間を作りたい」ということで、興味がわいてきたのが「面接授業」。今回、麻木さんには学生ではなく、“面接授業リポーター”として、人気の面接授業をガイドしてもらいます。まず第1弾が静岡学習センターの面接授業「静岡の特産農作物ミカンを知る」です。
ここからは麻木さんにバトンタッチ。

  •  皆さんこんにちは!麻木久仁子です。今回お邪魔した面接授業は静岡学習センターの「静岡の特産農作物ミカンを知る」。ミカンの歴史やミカンを取り巻く現在の状況を学び、苗木づくりに必要な「接ぎ木」や果実を甘さや酸っぱさを測定する実験、ミカンの収穫などを体験する授業です。興味深い面接授業がいくつもあるので非常に悩みましたが、私は普段“食”をテーマにして情報を発信しているので、人気の“食”というジャンルで代表的なこちらの面接授業を希望しました。

     そうそう!そもそも面接授業というのは、全国57ヵ所の学習センター等で開催されるスクーリングで、放送大学の醍醐味の一つ。地域独自の実習や実験など、約3000クラスが開講されており、全国から学生が集まります。中には旅行を兼ねてなんて方もいるみたいですね。それでは、一緒にその様子を見に行きましょう!
  • 全国各地から学生が集結!「放送大学は日本全国がキャンパス」を実感

  •  目的の午後の実習より少し早く到着。ちょうど皆さんはお昼中でしたが、午後の授業のオリエンテーションを兼ねた、学生たちとのランチ会を開いてくださいました。 静岡学習センター石井潔所⻑(前 静岡大学学長)と八幡昌紀准教授(静岡大学農学部)、ありがとうございます~!
  • ランチ会の様子
  • ランチ会の様子

  • 静岡学習センター石井潔所長
  • 静岡学習センター石井潔所長

  • 八幡昌紀准教授(静岡大学農学部)
  • 八幡昌紀准教授(静岡大学農学部)

  •  まず驚いたのが、岐阜、北海道、愛知など遠地から参加している学生が多かったこと。年齢も若い方から私より年配の方まで様々で、お隣に座った女性の方は「家の庭にミカンを植えたくて来ました」とおっしゃっていました。また、ある男性の方は陸上自衛隊に所属されており、退官後に国境なき医師団で働くために放送大学で学んでいるそう。「放送大学は日本全国がキャンパス」という言葉を聞いたことがありますが、まさにその言葉通りでした。
  • いろんな人がいておもしろーい!
  • いろんな人がいておもしろーい!

  •  また、他の面接授業に参加されている方も多く、中には面接授業で47都道府県の制覇を目指している方もいて、お話を聞かせていただくと、「船に乗って生活する海洋実習などもある。面接授業だったら栽培とか、土壌とか、品種改良なども学べます。」と興味深い面接授業を教えてくれました。
  •  学生の方とは初対面だったのですが、私もみなさんと同じく放送大学で学ぶ学生!楽しくお話することができました。顔を合わせて勉強をする機会が限られているからこそ、この時間を大事にして存分に楽しもうとしている姿がいかにも放送大学らしい。
  • 「接ぎ木」実習:枝をきれいに切るのが難しい!

  • 「接ぎ木」の説明を受けます、うまくできるかしら…。
  • 「接ぎ木」の説明を受けます、うまくできるかしら…。

  •  ランチ会が終わると、いよいよ接ぎ木の実習が始まりました。八幡准教授と技術職員の方が、ナイフを使ってミカンの枝に切断面を作り、その枝(穂木)を鉢植えに根を張る接ぎ木用の苗木(台木)に専用テープを使って接着する方法を指導してくださいました。
    やってみると大苦戦…、穂木の切断面がきれいに切れません。
  • 穂木を作ることに苦戦中。うまく切断面が作れない…。
  • 穂木を作ることに苦戦中。うまく切断面が作れない…。

  •  別の枝で再挑戦したのですが、植物なので1本、1本、枝の硬さや形(状)が違うんです。お隣で作業をしている学生の方も苦労している様子。思わず顔を合わせて「難しいです」とこぼしてしまいました。でもお話をすると、その方は他の面接授業も受けているようで「面接授業にも色々ありますが、みんなで同じ作業に挑戦する実習だと気軽に『お仕事は何をされているのですか?』などと聞けるので学生同士が仲良くなれるんですよ」と教えてくれました。もちろん実習に集中しながらですよ。
    こうして学生同士の交流が深まることも面接授業の醍醐味のひとつなのですね。
  • 皆さんも苦戦中、でもだんだん慣れてきた様子
  • 皆さんも苦戦中、でもだんだん慣れてきた様子

  • 八幡准教授から「合格点!」のお言葉
  • 八幡准教授から「合格点!」のお言葉

  •  そして何回も失敗を重ねてようやく「これは!」と思える穂木ができました。八幡准教授から「上手にできています。これなら65点」と合格点をいただけたので、その穂木を台木に接ぐことにしました。よかったー!
     今のところ枯れていないので接ぎ木は成功ですが、実際に芽が出るのかは春にならないと分からないみたい。芽が出てくれることを願い品種をメモしたラベルを添えて作業を終えました。自宅に持ち帰って大切に育てていこうと思います。
  • ようやく完成!やったー!
  • ようやく完成!やったー!

  • 完成した接ぎ木苗。ラベルには接ぎ木をした品種名が記載されています
  • 完成した接ぎ木苗。ラベルには接ぎ木をした品種名が記載されています

  • 皆さんが意欲的で刺激を受けますね
  • 皆さんが意欲的で刺激を受けますね

  • 「ミカンの収穫」の実習:みんなで楽しくミカン狩り!

  • 「ミカンの収穫」の説明を聞いているところ。早くやりたくてうずうず。
  • 「ミカンの収穫」の説明を聞いているところ。早くやりたくてうずうず。

  •  接ぎ木のあとは、ミカン畑に場所を移して「ミカンの収穫」の実習。ようするに、ミカン狩りですが、ミカンを専用のハサミで切るときに、枝にあるコブを一緒に切ってしまうと、来年以降の収穫量が減ってしまうそうです。

     説明のあと、「ミカンの収穫」が始まりました。どの木にもおいしそうなミカンがたくさん実っていて、目移りしてしまいます。すっかり仲良くなった学生の方々が「果実は昨日もいただいたのですが、小さい方が甘くておいしいですよ」と教えてくれたので、小さいミカンを探してさっそくハサミを入れました。八幡准教授が「袋はたくさんあるので、いくらでも持って帰ってください」とおっしゃってくださって、気づいたら袋がいっぱいになっていました。
  • ミカンの収穫。さっきより簡単だけどちゃんと収穫の重みを感じながら…。
  • ミカンの収穫。さっきより簡単だけどちゃんと収穫の重みを感じながら…。

  • ミカンがたくさん獲れました!
  • ミカンがたくさん獲れました!

  •  食べてみると、甘くて実が詰まっていて本当においしい。ミカン畑を見渡すと、学生のみなさんも獲れたてのミカンをほおばりながら笑顔でお話されています。放送大学の門を叩いた仲間同士が集まって共に過ごした時間は、本当に密度の濃い充実した時間だと体感しました。

     こうして初めて参加した面接授業。楽しく実りのある時間を過ごせました。”食”をテーマにしている私にとって実習で行った作業は貴重な体験になりました。「定年までに放送大学を卒業してセカンドキャリアに生かしたい」と意気込んでいた方もいてパワーをもらいました。
     突然お邪魔したのに快く受け入れてくださった先生や学生の皆様に感謝して今回は終わりたいと思います。次回もお楽しみに!
  • 先生方、学生の皆さんありがとうございました!
  • 先生方、学生の皆さんありがとうございました!

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