麻木久仁子の面接授業 体験リポート
~第3弾「生活と看護」~

麻木久仁子さんの面接授業体験リポート第3弾。今回は「生活と看護」の感染予防授業(岩手学習センター/土田幸子教授・岩手保健医療大学看護学部) に参加していただきました。体験授業も3回目とあって慣れた様子の麻木さん。一体どのような授業だったのか、さっそくリポートしてもらいましょう。

  • 足を延ばして盛岡の面接授業へ!

  • 真夏の太陽が照り付ける東京から、東北新幹線に乗って盛岡へ。仙台を過ぎたあたりから天気は曇りに変わり、岩手学習センターは雨。残念ながら岩手学習センターから一望できるという岩手山は見られませんでした。気を取り直して、西崎所長にご挨拶を済ませ、今日一緒に授業を受ける受講生の皆さんとのランチ会に参加しました。
  • 岩手での多様な学びに感嘆

     
    今回の受講生は、13名。ランチ会で雑談をしながら、岩手県の郷土紹介などをお聞きしていると、「学友会」に属している方が多いことに驚きます。「学友会って何ですか?」と素朴な疑問を投げかけると、「まぁ、飲み会だよ」という謙遜された答えが返ってきましたが、よくよく聞くと、学習活動等の情報を共有して親睦を深め、学内外で各種行事の取り組みを行っている会で、正式には「放送大学岩手学友会」というのだそうです。
    中でも、限られた土地で乳牛と鶏を育てながら、そのフンを養分としてクルミを育成する「立体農業」を見学されたお話は印象的でした。

    土田 幸子 岩手保健医療大学看護学部教授

  • 授業を受ける受講生の皆さんとのランチ会。
  • 授業を受ける受講生の皆さんとのランチ会。

  • ブラックライトで手洗いを可視化

  • ランチ会を終えて、授業の行われる「実験室」に集まると、机の上にはダンボールの箱がセットされているではありませんか?このダンボール箱の中に手を入れて、ブラックライトで照らすのだと言いますが、どういうことなのでしょう。
    実はこの授業では、「衛生学的手洗い」について学ぶのだそうです。「衛生学的手洗い」とは、目に見えない細菌を殺菌するための手洗い。簡単に言うと、丁寧な手洗いです。今回の授業では、実際に人体に影響のある細菌やウイルスを用いることはできないので、代わりに蛍光塗料入りのクリームを使います。もちろん無害です。
  • いつも通りの手洗いで、きちんと洗えているのでしょうか?

     
    まず3~4人のグループに分かれます。そして、最初の一人が手に蛍光塗料入りのクリームを塗った後、2人目の人と握手をして、2人目の人は3人目の人と握手。3人目は4人目と握手をします。握手し終えると、蛍光塗料入りクリームがついた手を実験室の水道で洗うのですが、ここで肝心なのが、いつも通りに洗うことです。
    各人が洗った手をダンボール箱の中に入れて、ブラックライトで照らすと、いつも通りに洗っただけではクリームはきれいに洗い流されておらず、手は光って見えてしまいます。手についたのがクリームではなく、細菌だったらと思うとぞっとしますね。

    いつもの手洗いの後、ブラックライトで確認

  • 衛生学的手洗いにチャレンジ!

  • ここで、先生から衛生学的手洗いの講義がありました。「もしもし、カメよ~」と歌いながら行う丁寧な手洗い。どこかで聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?
  • 土田教授から衛生学的手洗いの講義を受ける
  • 土田教授から衛生学的手洗いの講義を受ける

  • 先生の講義を聞いた後、もう一度受講生は手に蛍光塗料入りクリームを塗って、順番に握手をし、先ほど教わった通りに衛生学的手洗いをします。手洗いが終わったら、またダンボール箱の中に手を入れて、ブラックライトで照らし、自分の手がどれだけ光っているかを確認するのです。
    私は一回目と比べると、明らかに手は光らなくなりましたが、全く光らないくらいきれいには洗えていませんでした。丁寧に洗ったつもりでも、洗い切れていなかったようですね。
  • 衛生学的手洗いの講義を受けた後、もう一度手洗い
  • 衛生学的手洗いの講義を受けた後、もう一度手洗い

  • 多様な受講生の質問に、先生もドキドキ?

  • 授業が一通り終わって、受講生がレポートを作成する時間に入ると、土田先生に少しお話をお聞きすることができました。そこで、面接授業の率直な感想をお尋ねすると、「緊張します」というお答えが…。
    ご存じの通り、放送大学の受講生は多様です。年齢はもちろん、引退した方、現在お勤めの方、いろいろな方がいらっしゃいます。割合で言えば、私や先生よりも人生経験豊かな方が多い印象です。
    そのような方々と対峙する面接授業では、どのような質問が来るか分からないと言うのです。「根拠のないことを教えるわけにはいきませんから、相当準備をして臨みますけど」と、先生はおっしゃいますが、人生経験豊かで多様な受講生からは、想定外の質問も飛んできます。
    それでも、受講生からリアルな反応があることが面接授業の楽しみだと語る土田先生。「怖いですし、面白いです。レポートにご自分の体験を書いてくれる受講生もいて、私も『ああ、こういうこともあるんだ…』と他人の体験を知ることができます。そうやって疑似体験を繰り返すことで、自分だけの人生では学べないことを学ぶことができるのです」
  • 多様な受講生の質問に、先生もドキドキ?
  • コロナ明けでも、公衆衛生の意識を高く持って

  • 新型コロナウイルスが流行したときには、手洗いについてものすごく注目されました。しかし、「コロナ明け」が叫ばれると、たちまち手の洗い方を忘れてしまった人もいるのではないでしょうか?
    私は、講義を通じて学び直すことができたので、改めて公衆衛生に対する意識を高く持たなければいけないと痛感しました。今日の授業に参加した人たちは、自分の目で見て手洗いの重要性を納得することができたと思うので、それぞれの職場や家庭で実践して、周りに公衆衛生の大切さを広めるように努めてください。
  • 受講生の皆さんありがとうございました。
  • 受講生の皆さんありがとうございました。

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