放送大学での学びは
私にとって心の支えでも
ありました。

A・Mさん

(自営業・マレーシア在住)

Profile

「食と運動」をテーマに、日本初のアスリートフードマイスター、野菜ソムリエとして活躍するA・Mさん。2022年からお子さん2人と共にマレーシアへ教育移住。仕事の傍ら、放送大学の海外モニターとして4科目を受講。授業はもちろん、放送大学のサービスにも非常に満足されているとのこと。詳しく話を聞きました。

子どもたちの
教育移住のため、
マレーシアへ

これまでのご経歴について、教えていただけますか?

短大卒業後、ラジオ放送局で4年間勤務し、映像製作会社へ転職。そこではプロデューサーとして数々の作品を手がけてきました。当時は寝る間も惜しんで働き詰めだったので体を壊してしまって。30歳になった頃、結婚をきっかけに働き方を見直し、健康管理に目覚め、野菜ソムリエの資格を取得しました。

ほぼ同時期、結婚相手の勧めでトライアスロンも始めました。しかも、トライアスロンの最高峰と言われるアイアンマンレースです。かなりハードでしたが、この競技を通して食事がアスリートのパフォーマンスに与える影響を実感。詳しい知識を得たくてアスリートフードマイスターという資格も取得しました。

マレーシアにはどういった経緯で移住されたのでしょうか?

移住を決めたいちばんの理由は、子どもの教育のためです。

英語はあくまでツールだと思っているので、英語が話せるようになることが目的ではありません。日本の当たり前が通用しない場に身を置き、様々な民族、文化との交流、そして英語以外の言語というものを子どもたちに幼い段階から体験させたかったんです。マレーシアには様々な人種がいて、宗教があります。私が求めている環境がそこにあると直感し、移住先として選びました。

そして、私自身の母親としての成長も大きな目標でした。私は一つの角度からしか物事を見られないところがあるので、自分に足りないものを見つめるという意味でもマレーシア移住は絶好の機会だと思いました。

日本にいらっしゃる間、放送大学教養学部教養学科の心理と教育コースへ全科履修生として3年次編入されているのですね。

そうなんです。コンサルタントや講演会などの仕事や、アスリートの支援をするなかで、栄養やフィジカルについての知識だけでは不十分で、もっと心理面でのアプローチも重要な気がしてきたんです。そこで、心理学を学ぶことにしました。

ただ、その時は幼い子ども2人の子育てもあったので、自宅で好きな時間に学べる放送大学を選択。オンラインで受講させていただきました。そして、卒業とほぼ同時にマレーシアへ移住しました。

放送大学での
学びの楽しさが
忘れられなくて

マレーシアへ移住されて2年後、今度は海外モニターとして放送大学の授業を受講してくださったのですね。

はい、そうなんです!日本で受けた放送大学の授業は私にとって本当に実りあるものでした。ちょうど子育てに追われていた時だっただけに、子どものこと以外でほんの1ミリでも1センチでも自分の知識が増えていくことが気持ちの安定につながり、自信にもなりました。そのときの喜びが忘れられず、マレーシアに来てからも実はちらちら放送大学のホームページを見ていたんです(笑) そうしたらある日、海外モニターの募集告知があって!「また学べるんだ!」と嬉しくなってすぐに応募しました。

ありがとうございます。そんな気持ちでご応募いただいたなんて、嬉しい限りです。ちなみに海外モニターでは、どの科目を受講されましたか?

最初は「循環器の健康科学」と英語に関する科目を選択。現在は「より良い思考の技法」と「がんを知る」を学んでいます。

「より良い思考の技法」では、クリティカル・シンキングという思考のスキルを学んでいます。私は感覚的に物事を話してしまうタイプなのですが、仕事を進めるとき、周囲の人に何かを伝えるとき、いかに論理的に筋道を立てて話のゴールに持っていくか、という思考法が理解できて本当に役に立っています。

「がんを知る」は父母が高齢ということもあってしっかり基礎知識を得ておきたいと思って選択しました。がん検診を正しく受ける重要性と、受けることによってデメリット面もあることを知ることができたことは大きな収穫でした。

海外で受講されてあらためて、放送大学で学んでよかったことはありますか?

やはりなんといっても、ストレスなく授業が受けられることです。放送大学には老若男女様々な世代の学生が在籍していますが、だからこそ、あらゆる学生の「学びやすさ」を考えて、授業やシステムが丁寧に作り込まれているのかなと思います。例えば、どんなに意欲があっても「宿題の提出の仕方が分からない」「質問しづらい」といった小さなことで学びって挫折してしまいがちですよね。でも放送大学は、学習のモチベーションが下がったり、途中で諦めたりしないよう工夫してくれていますし、フォロー体制も万全で。授業の質の高さだけでなくそういった心遣いも、放送大学の魅力の1つです。学生目線でいろいろと考えてくれていることが手に取るように伝わってきて、安心して授業を受けることができました。

日本語であれば、
ストレスフリーで
知識が得られる

では、海外に居ながらにして日本語で学べることの魅力はどんなことでしょうか。

ストレートにものごとを理解できる点です。実は心理学をもっと究めたくて、マレーシアへ移住してから大学院へ行こうかと本気で考えた時期もあったんです。でも、やはり言葉の壁が高すぎて。本当に知りたいことや聞きたいことにアクセスできないことがすごく苦しかった。「頑張れば、何とかなるというレベルの話ではない」と痛感しました。目的は英語を話せるようになることではなく、学ぶこと。ましてや大学の授業となると内容も簡単ではありません。だからこそ、海外にいながら日本語で大学の授業が受けられるのは本当に価値のあることだと感じました。

お話をうかがっていると、本当に学ぶことが好きなんだということが伝わってきます。

私だけでなく、人は誰でも小さな「できた」という達成感を積み重ねながら生きていると思うんです。昨日より今日、今日より明日が少しでも良くなるようにしたいって思いながら。そんな日々のなかで、勉学を通して毎日1ミリずつでも自分が成長できるというのはかけがえのない経験で、放送大学での学びは、私にとって心の支えでもありました。また、学びは終わりのないものだとも感じています。「より良い思考の技法」で、クリティカル・シンキングの視点を得たことで46歳にしてはじめて気づけたことがあったように、これからもいろいろと学びながら、新たな気づきをたくさん得ていきたいですね。

なるほど。最後に海外で日本の大学の授業を受けてみたいと思っている方々へメッセージをお願いします。

何かを学ぶとき、キャリアに直結するかどうかを考える方は多いと思いますし、実際大切な視点ですよね。ただ、私は「これは何に役立つ」とはじめからすべてを計算して進めていくのは難しいと思っていて。それ以上に、学びによって自分の成長を積み重ねていくことに価値があると思います。そして、人間として成長すれば、それが最終的には人生やキャリアにも自然と繋がっていくものだと思っています。ですので、キャリアの積み上げとは別軸で、広い気持ちで学びを楽しんでみるのもおすすめです。

また、繰り返しになりますが、母語である日本語であれば、自分が本当に知りたいことをきちんと理解でき、着実に自分の知識を増やすことができます。しかも、オンラインで自分のペースで学べることはとても貴重です。海外在住の人こそ、放送大学での学びの機会を大いに活用すべきだと思います。

「学習のお陰で視野が広がって一概に何が正しいと言えなくなり、子どもたちも最近、私に叱られなくなったと思っているんじゃないかな(笑)」と笑うA・Mさん。放送大学での学びを通して着実に自分を成長させていることが伝わってくる、そんなインタビューでした。

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