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青森学習センター 平成29年度 URL:https://www.sc.ouj.ac.jp/center/aomori/
プロジェクト名:下北ジオパークをサポートする地域の人材の育成
1.プロジェクト概要

青森学習センターは、下北ジオパークの申請に当たり、地域の地球科学的な特徴についての講演会を開催し(2015年,2016年)、地域の人たちのジオパークについての関心を高める活動を行ってきた。ジオパークとして認定された現在、それを利用し活用していく人材が必要である。下北ジオパーク推進協議会は、ジオガイド養成講座等を開き人材育成に努めているが、青森学習センターは、同協議会と協力して、もう少し幅広い人たちにジオパークの関心を高めてもらうことを目的に、シンポジウムを開催した。シンポジウムは,1日目の午後2つの講演、2日目の午前実地見学とまとめのパネルディスカッションという構成で実施した。

*関連ウェブサイトURL https://www.sc.ouj.ac.jp/center/aomori/about/
2017/06/05105506.html

http://www.shimokita-geopark.com/info/
*実施体制(主催、共催、後援等) 放送大学青森学習センター 主催 下北ジオパーク推進協議会・むつ市教育委員会 共催
2.プロジェクトの成果
1日目の講演会には50名、2日目の実地見学パネルディスカッションには40名程度の人が集まった。
大森先生は放送大学の講義科目「自然科学はじめの一歩」、「ダイナミックな地球」に基づき、地球科学全般の話をされ、ジオパークのなかでジオだけにとどまらず、歴史・伝統・文化を含むジオストーリーを組み立てることの重要性を指摘された。
鎌田先生は、下北ジオパークのいろいろのジオサイトを紹介され、実地見学する北部海岸についての予備知識を与えてくれた。
実地見学では、鎌田先生が海辺の砂を実際に手で盛り上げながら、砂堆ができ、それが侵食され、といった一連の流れを説明する場面もあった。
最後のパネルディスカッションでは、パネラーをお願いした放送大学の学生や、フロアーから活発な発言がなされ、お互いの意見の交換を行うことができた。
3.プロジェクトの課題
予想通りむつ市からの参加者が多く、シンポジウムの参加者としてはそれなりの人数を集めることができたと思っているが、バスの提供にもかかわらず、弘前市、青森市からの参加がわずかであったのは,工夫の余地がある。参加者の多くは既にジオパークに関心を持っている人が多く、さらに多くの人に対してジオパークに関心を持ってもらえたかという点については、十分な成果が上がったとはいえないのではないかと思う。
4.今後の展開計画
ジオパークの重層的な構造を考え、ジオと関連させた下北の歴史・伝統・文化を含むジオストーリーを組み立てることに資するような協力をしていき、下北地域での放送大学の認知度をさらに高めることも目指したい。
5.参加者の感想

パネルディスカッションで、参加者の一人からこのシンポジウムについて感想が述べられた。ジオパークのこれからを考える上での参考にもなるので、音声データから再現して以下に掲げる。

地元に住んでいて、きのう大森先生のおっしゃったジオストーリーを考えながら、今日鎌田先生の話をうかがった中で、自分なりに考えたもの、本当にちっちゃ過ぎるものですが、よくジオパークは対外的にものすごく宣伝できなければいけないというイメージがあったのですが、きのう今日で思いついたことをお話したいと思います。
今日歩いた田名部層の先に住んでいますが、昔から砂鉄がすごく採れて、うちの主人のおばあちゃんが、とてもきつい仕事だったけどすごく頑張ったという話を昔話でしてくれました。その話を聞きながら育って、地元の小学校の校章は砂鉄をイメージしたマークが入っているそうです。今日鎌田先生が、ラミナ(lamina 薄層の重なり)の話をされた時、黒っぽいのが砂鉄で、軽いのが石英で、縞々なんですけど、浜を見る時、いつも縞々をきれいだなと思っていました。また風紋、風でできるんですけど、見ていたのだけれど、知らないできれいだなとだけ思っていたのが、今日ジオのお勉強という形で教えていただいて、先ほどパネラーの人が言ったように見る目がちょっと変わって見ることができました。こういった話を、浜を歩きながら子供たちに「きれいだね、これは砂鉄が重くて、白っぽい石英のはいった砂は軽いから、こっちのほうが黒くなってこっちが白くなる」(と話し)、波打ち際を歩く時、砂鉄で歩きやすいのです。波からちょっと遠いところは、もわもわしているんです。今日鎌田先生の話を聞きながら、波が(運んできたものを)置くとき重いものから先におくから、波打ち際が(重いもので)歩きやすく、少し離れたところは(軽いもので)もわもわして歩きにくいのだと思いました。そういったことを見ながら、体験しながら、子供たちと一緒に歩きながら「この黒い砂でおばあちゃん達が昔砂鉄を採って仕事をしていたんだよ」と話せばこれはちょっとしたジオストーリーになるのではないかと思います。

他の参加者の感想(放送大学学生に依頼したもの)

先日行われた放送大学青森学習センター主催の公開講演会を終えて感じた事について述べます。
1日目の講演会に続き、2日目のジオサイト見学で講師を務めて下さった鎌田先生の説明はとても判りやすく、特に現地で行った砂と砂鉄の堆積層を実際に海岸を掘って説明したり、砂粒子の移動の様子、地層のつくられ方などを、手で砂を盛りながら実践して下さったことで、とても強くイメージできました。
又、現地の地層にあったエビや甲殻類とみられる各種の巣穴化石も沢山観察でき、初めての体験ばかりで、地層形成にますます興味を深めました。
大森先生の講義では、「ダイナミックな地球」というタイトルに込められた、時間と空間で様々に変動する地球、色々な分野の科学が関係しあう地球システム科学の考え方を紹介していただきました。さらに、それらを元にしてジオガイドが対象者に説明する場合は、納得させるのではなく自然に興味がもてる様にする事、システムをまたいだストーリーを意識する事、質問、議論はおおいに行った方がいいとアドバイスを頂きました。放送授業で画面を通してしかお目にかかれない大森先生の講義が目の前で展開されたのは本当に嬉しくて貴重な体験でした。ありがとうございました。

6.写真
会場:むつ来さまい館
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講演会
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北部海岸 実地見学
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パネルディスカッション
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