地域貢献への取り組み

山口学習センター

加齢に伴い筋力や平衡機能は低下し、転倒による骨折が頻発するようになる。高齢者の転倒は、時として寝たきり状態を引き起こし生活の質を著しく低下させる。超高齢化社会を迎えた我が国にとって、高齢者の転倒防止対策は喫緊の課題と言える。このような背景のもと、全国各地で高齢者を対象にした転倒予防教室が開催されている。また、これまで、転倒の危険因子として足趾筋力の低下が考えられており、足趾筋力の増強の観点からのトレーニング教室も開催されている。しかしながら、地域で開催されている教室の中で足指筋力をはじめとする姿勢保持にかかわる複数の生理学的測定パラメーターを実際に測定しそれを活用し、しかも無料で受講可能な教室は少ないと思われる。

本プロジェクトは、地域高齢者を対象に１か月間のトレーニング（１.５時間/日、1日/週）を行うとともに、その前後で足指筋力、重心動揺、片足立ち、立ち上がり検査、TUGテスト（バランスや運動器不安定症の評価）などの測定を行う。そして、自身の測定値を基に転倒防止のためのトレーニングの意義や日頃のトレーニング方法などについて教授し、参加者自身の生涯にわたる運動習慣に結びつけ健康の保持増進を図ることを目的とする。

また、これまで行ってきた地域教育委員会との連携講座などに組み入れが可能か否かについて模索する。このような健康にかかわる講座は中高齢者の関心も高いことから、数多くの中高齢者の参加が期待でき、ひいては放送大学の認知度を高め学生確保に結びつけることが可能であると考えられる。

さらに、この分野に興味関心のある学生に対し協力を呼びかけ、学生自身の卒業研究に繋がるような動機づけになることも期待できる。