社会と産業コース

社会・自然と人間とのネットワークを学ぼう!

社会と産業コースは、法律、政治、社会、経済、経営、会計、環境、デザイン、農業、工学の広い領域にわたっています。

人間が人間として生きていくなかで、どのように生きるのが望ましいのか、どのように他人、あるいは社会と付き合っていくのがいいのか、その在り方をどのように変えていけるのか、あるいは変えていくべきなのか、ということを学びます。

コロナ禍や東日本大震災は、社会の管理能力の限界について多くのことを教えてくれました。これらの経験を生かして、私たちは、人と人のネットワーク、人と自然のネットワークの基本的な性質を理解し、その利点や欠点を見直す必要があります。

このような災害や危機を乗り越えるためには、家族関係をはじめとして、コミュニティとの関係、職場との関係、政府との関係、国際社会との関係、さらには自然環境との関係、私たちを取り巻く制度やネットワークの設計・運営・管理の基本を、皆さんと一緒に学びたいと思います。

授業科目ピックアップ

サプライチェーン・マネジメント(’21)テレビ科目

現代の循環型サプライチェーンの構築と運用に関する基礎原理とそれらの実際の応用について概観します。グローバル化が進む環境のもとで経営戦略上ますます重要性を高めつつあるサプライチェーンの設計・構築に関する現代的課題を取り上げ、その理論的背景、分析方法、先進的取り組み事例の検討を通じて、その原理を解明していきます。持続可能な循環型サプライチェーン、グローバル・サプライチェーン、サプライチェーンの統合問題、在庫管理を含めたロジスティクス活動の役割などの課題に対して理論的な分析を行うとともに、それらの応用事例を検討していきます。

緑地環境の計画(’21)オンライン科目

グローバルスケールにおける環境問題から、都市におけるソフトな環境基盤の形成、自然環境の保全やレクリエーション空間の確保、地域コミュニティのコア形成、さらには日常生活の中で身近にふれることのできる緑の空間に至るまで、緑地環境に期待されている役割は様々です。この科目では、その中から特に都市と居住地の環境を形成する「緑地」を対象として、計画・設計・運営管理に関わる理論と実践的な手法について講述します。

社会と産業の倫理('21)ラジオ科目

社会と産業をめぐる諸科学において、倫理の問題がどのように取り上げられているかを検討します。「いかに生きるべきか」「善く生きるとは何か」といった問いをめぐるものである倫理は、あらゆる人間活動において、極めて重要な要素です。しかしながら、科学的方法にとって、倫理の問題の扱いは、けっして容易なものではありません。本講義では、倫理の問題がなぜ重要なのか、それを学問的に扱うにはどうしたよいのか、そして、学問的な営みそのものにとって、どのような倫理的検討が必要なのか、といった問いを、さまざまな領域の専門家が検討するさまを紹介します。

市民自治の知識と実践(’21)ラジオ科目

現代の市民社会において、自律的、活動的に生きることの意義を伝え、そのために必要となる基礎的な知識や技術を紹介します。現実社会と大学での学びの関係性を示すことで、社会科学一般を学ぶことへの動機づけを与え、さらには、社会科学の実践的な活用の展望を示しています。「市民自治」をキーワードに、学問的な思考法、社会組織の運動の技法、知識の具体的な収集法や活用法の事例などを教えます。授業の目標としまして、大学における社会科学やその他の学問を学ぶ意義を理解することと、学問の実践的な活用の展望を得ることで、自律的に科目選択をしていく能力を獲得することを目指します。

環境と社会(’21)ラジオ科目

環境を巡る社会のあり方について、生態学、経済学、法学の3つの学問分野から取り上げ、環境問題に関する総合的な学習をします。授業の目標としましては、3つの学問分野のそれぞれの観点を含め、環境問題に関して、一定レベルの総合的な理解を得ることを目標とします。

上掲以外にも、2021年には、テレビ科目として、雇用社会と法(’21)マーケティング(’21)社会学概論(’21)世界の中の日本外交(’21)、またラジオ科目として、刑法と生命(’21)日本政治思想史(’21)NPO・NGOの世界(’21)などが新規学部科目として開講されています。

授業科目案内

学びのケース紹介

ケース1

「会社経営」へのスキルアップ目指して学びたい!

企業勤務が長く、役職に付くことを目指そうと考えています。仕事と学びを両立させ、ビジネスに生かせる広い視野を身につけたいと思います。

会社員の女性

年齢:30代

学位を取得したい方におすすめの科目
  • 問題解決の進め方('19)

  • 社会と産業の倫理('21)

導入科目
  • 経営学概論('18)

  • 現代の会計('20)

専門科目
  • マーケティング('21)

  • 国際経営('19)

  • 管理会計('18)

  • 初級簿記('16)

  • ファイナンス入門('17)

  • 経営情報学入門('19)
  • 現代の内部監査('17)

  • フードシステムと日本農業('18)

  • グローバル化と日本のものづくり('19)

  • アジア産業論('17)

  • サプライチェーン・マネジメント('21)

  • NPO・NGOの世界('21)

  • 産業・組織心理学('20)
総合科目
  • 海からみた産業と日本('16)

  • 新時代の組織経営と働き方('20)

  • 開発経済学:アジアの農村から

ケース2

市民のための法律と暮らしについて学びたい!

海外への赴任を経験しており、改めて人生を振り返り、市民の暮らし、海外での暮らし、法律と社会の全体像を考えたいと思っています。

公務員の男性

年齢:60代

学位を取得したい方におすすめの科目
  • 市民自治の知識と実践('21)

  • 社会と産業の倫理('21)

導入科目
  • 法学入門('18)

  • グローバル化時代の日本国憲法('19)

専門科目
  • 市民生活と裁判('18)

  • 刑法と生命('21)

  • 民法('17)

  • 行政法('18)
  • 家族と高齢社会の法('17)

  • 国際法('19)
  • 著作権法('18)
  • 雇用社会と法('21)
総合科目
  • 世界の中の日本外交('21)

ケース3

「経済」の考え方と政策について学びたい!

経済研究に関する公益法人の事務を行ってきました。もう一度、経済学の基本と応用を勉強し直し、金融政策・財政政策についての深い知識を得たいと考えています。

NPO団体職員の女性

年齢:20代

学位を取得したい方におすすめの科目
  • 社会と産業の倫理('21)

  • 日本語アカデミックライティング('17)

導入科目
  • 経済社会を考える('19)

  • 生活経済学('20)

専門科目
  • 現代経済学('19)

  • 都市と農山村からみる身近な経済('18)

  • グローバル経済史('18)

  • 財政と現代の経済社会('19)
  • 金融と社会('20)
  • 椅子クラフツ文化の社会経済学('20)
総合科目
  • エネルギーと社会('19)

  • 環境と社会('21)

ケース4

市民の「政治」について学びたい!

市民生活のなかでの政治の意味について学びたいと思います。これまで、地方議会の管理運営に携わってきて、いろいろな疑問を持ちました。それを解決したいと思います。

男性・地方公共団体職員

年齢:40代

学位を取得したい方におすすめの科目
  • 市民自治の知識と実践('21)

  • 国際理解のために('19)

  • 社会と産業の倫理('21)

導入科目
  • グローバル化時代の日本国憲法('19)

  • 政治学へのいざない('16)

専門科目
  • 日本政治思想史('21)

  • 現代日本の政治('19)

  • 日本政治外交史('19)

  • 現代の国際政治('18)

  • 中東の政治('20)
  • ヨーロッパ政治史('20)
  • 現代東アジアの政治と社会('20)
  • 行政学概説('20)
総合科目
  • 権力の館を考える('16)

  • 世界の中の日本外交('21)

ケース5

環境問題や都市問題について学習したい!

環境改善運動や街おこし運動のNPO活動を行ってきました。実践活動を行いつつ、理論的なバックグランドを充実させたいと考えています。

NPO研究員の女性

年齢:50代

学位を取得したい方におすすめの科目
  • 社会調査の基礎('19)

  • 社会統計学入門('18)

  • 社会学概論('21)

導入科目
  • 新しい時代の技術者倫理('15)

  • 技術経営の考え方('17)

  • 環境問題のとらえ方と解決方法('17)

専門科目
  • 都市と地域の社会学('18)

  • 災害社会学('20)

  • 地球温暖化と社会イノベーション('18)

  • 物質・材料工学と社会('17)

  • 住まいの環境デザイン('18)

  • 環境の可視化('15)

  • 緑地環境の計画('21)
総合科目
  • エネルギーと社会('19)

  • 環境と社会('21)

大学院の紹介

教養学部「社会と産業コース」の卒業研究を修めるか、あるいは同程度の学力を身につけたのち、より専門的な修士論文作成に挑戦することのできる「社会経営科学プログラム」の修士課程の全科生あるいは修士課程の科目生履修へ進むことを勧めます。

教員一覧

北川由紀彦の顔写真
北川 由紀彦 教授
社会学・都市社会学

専門は社会学/都市社会学。いわゆる「ホームレス問題」などの現代都市の貧困問題への社会的な対応のあり方について主に社会学的観点から実証的な研究を行っています。

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桑田学の顔写真
桑田 学 准教授
経済思想/環境思想

1982年生まれ。2013年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。専門は経済思想と環境思想です。経済学という知が人間の経済と生態環境との複雑なつながりをどう捉え、あるいは忘却してきたのか、また両者の持続可能性は今後どのようなものとしてありうるのか、広く社会思想や科学技術の歴史も視野に入れて研究しています。

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児玉 晴男 特任教授
新領域法学/学習支援システム

教育産業、メディア教育開発センターと総合研究大学院大学、放送大学へと渡る歩き、しかし、一貫して著作権・知的財産制度とその関連から学習支援システムの研究をコアにしています。一般社団法人企業法学会理事長として学外活動にも積極的に関与しています。

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齋藤 正章 准教授
会計学/管理会計

新潟県出身。私たちは企業社会で生きています。そのプレーヤーである企業をよく理解することは、私たちの生活をよりよくするための糸口を与えてくれるでしょう。その鍵を握っているのが簿記・会計です。皆さんの受講をお待ちしております。

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迫田 章義 教授
環境・化学工学/吸着工学

京都府出身、1979年 東京大学工学部化学工学科卒業、1984年 同大学院博士課程修了(工学博士)、その後、東京理科大学、ミシガン大学を経て、1989 年 東京大学生産技術研究所・助手、2000年 同・教授、2017年、放送大学・教授

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白鳥潤一郎の顔写真
白鳥 潤一郎 准教授
国際政治学/日本政治外交史

1983年生まれ。2013年慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程修了。博士(法学)。専門は国際政治学と日本政治外交史です。現在は戦後日本のエネルギー資源外交及び対外政策関係機構の変遷、初期の主要国首脳会議を中心に研究を進めています。

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玉野和志の顔写真
玉野 和志 教授
都市社会学/地域社会学

石川県金沢市生まれ。都立大学の学部を卒業後、東京大学の大学院に進学、都立大学から博士(社会学)の学位を取得。主に都市における住民生活と自治体政策との関連について社会学的な調査研究を行っている。主著として『東京のローカル・コミュニティ』東京大学出版会、『創価学会の研究』講談社学術新書、『実践社会調査入門』世界思想社などがある。

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原武史の顔写真
原 武史 教授
政治学

1962年生まれ。東京都出身。専門は日本政治思想史。明治学院大学名誉教授。ラジオ「日本政治思想史’17」「同’21」、テレビ「空間と政治’22」を担当。

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原田順子の顔写真
原田 順子 教授
経営学/人的資源管理

専門は経営学、人的資源管理です。現在、就労者の大半は雇われて働いているので研究意義は高いと思います。多様な人材の雇用管理(人材の採用、育成、報酬等)に関心があり、非正規労働者、女性、国際化(雇用に関する世界的潮流)等について探求しています。

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古橋元の顔写真
古橋 元 教授
農業経済学/世界の食料需給及び将来見通し

専門は、世界の食料需給及び食料需給モデルを用いた将来見通し、農産物等の国際コモディティ市場、農業経済学に関わる研究です。農林水産政策研究所の上席主任研究官や経済協力開発機構(OECD)本部の農業政策アナリストなどを経て現職に着任。世界の穀物等を含めた食料の動向が注目されていますが、フランス、インドネシア、タイ、米国など海外経験を踏まえて、多様な視点でこれらの世界的潮流を捉えていきたい。

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堀部 安嗣 教授
建築設計/環境デザイン

1994年に堀部安嗣建築設計事務所を設立。住宅を中心に質の高い建築のあり方を探って設計活動を行っています。自然、人体、信仰、経済など建築を取り巻く様々な事柄を学び、その学びの実践を通して、より実感を伴って環境と向き合う大切さを伝えたいと思います。

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松井 美樹 教授
オペレーションズ・マネジメント/サプライチェーン・マネジメント

横浜国立大学経営学部卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了・博士後期課程単位修得退学、一橋大学助手、文教大学専任講師、横浜国立大学助教授・教授・名誉教授、2018年から放送大学教授。オペレーションズ・マネジメント&ストラテジー学会会長等を歴任。

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松原隆一郎の顔写真
松原 隆一郎 教授
社会経済学/経済思想

神戸市生まれ、東京大学工学部都市工学科卒業、経済学研究科博士課程単位取得退学。指導教員は西部邁先生でしたが大学構内で指導を受けたことはほとんどありませんでした。同大教養学部・総合文化研究科教授、柔道部長を経て2018年に放送大学に着任。生涯武道家です。現在は「共有資本」について執筆しています。

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柳原 正治 特任教授
国際法

富山県の宇奈月町(現在、黒部市)出身です。国際法・国際法史が専門です。これまで、国際法の歴史、領土問題、武力行使、国際裁判などのテーマについて研究してきました。

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山岡龍一の顔写真
山岡 龍一 教授
西洋政治思想史/現代政治理論/政治学

東京都出身。近代イギリス政治思想史の研究を、現代政治理論、特に自由主義の政治理論の研究と融合させるかたちで追究しています。政治という実践的な現象を、理論的に把握することの意義を、皆さんといっしょに考えていきたいと思います。

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李鳴の顔写真
李 鳴 教授
商法(保険法)

出身地は上海です。1988年留学のため来日しました。長年にわたる企業法務等に関する実務経験があります。働きながら慶應義塾大学博士号(法学)を取得しました。専門分野は、商法です。主に理論と実務との融合を図る視点に立って保険法を研究しています。

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