ラハマット・ブディマン(Rahmat Budiman)博士

紹介
ラハマット・ブディマン博士は、現在、アジア公開大学協会 (AAOU) の事務局長であり、同時にインドネシア・テルブカ大学の研究・変革・連携・運営担当副学長です。世界銀行奨学金を得て英国ダンディー大学で博士号を取得し、1999年以来、テルブカ大学で専任講師として働いています。また、AAOUの事務局長として、ブディマン博士は協会の管理的、技術的、財政的、組織的な業務の責任者です。ウェビナー講演会や研究グループの立ち上げなど、遠隔教育促進のためのさまざまな革新的取り組みに携わってきました。最近の成果としては、アジアで遠隔教育を実施する大学の誕生、発展、評価の獲得を扱った『アジアにおける公開遠隔教育』の出版があげられます。ブディマン博士は、多様なメディアやプログラムを媒体としての公開遠隔教育の推進に関心を持ちつつ、インドネシアやアジアにおける遠隔教育の発展と推進に、研究や教育を通じて献身しています。特に、学生サービス、教育支援、遠隔言語教育を研究テーマとし、成果を書籍の章や研究論文、研究発表予稿集として公刊しています。最近の論文としては、"The digital literacy of first-year students and its function in an online method of delivery" (AAOU Journal in 2023) や "Self-Efficacy of Students Taking the English Writing 3 Course in an Online Learning Setting" (Jurnal Pendidikan Terbuka dan Jarak Jauh, 2023) があります。ブディマン博士は、遠隔教育に関する自身の知識と経験により、理論と応用の両面で、遠隔教育の推進、発展、普及に努力し続けています。
発表題目
テルブカ大学から学べる教訓:国境を超えて質の高い教育を提供するために
発表要旨
1980年代、インドネシアでは高等教育の機会を広げてほしいという需要が高まりました。全国的に高校の卒業生数が増加したのと同時に、現職の教員など、大学の修了証明を求める働く人々が、より融通の効く学習環境を求めたからです。こうした状況を受けてテルブカ大学が創設されるわけですが、本発表では、その哲学的基盤について検討します。
発表ではまず、教育課程、学修支援体制、学事歴、全学生の成長傾向など、テルブカ大学の全般的状況について紹介します。学生の成長を維持するためのさまざまな取り組みについて触れたあと、財政的な安定性を保つための、新入生を確保し学生の定着率を高める責務について説明します。また、テルブカ大学の学生の特徴と、それが広報戦略に与える影響についても紹介する予定です。
本発表ではさらに、インドネシア以外に国々に暮らす学生を募集し在学させる取り組みと戦略を取り上げます。テルブカ大学が在外学生の質と基準を期末試験を通じてどのように保証しているかを検討し、最後に成績認定について説明します。