国際交流の取り組み
ICDE Leadership Summit 2024 参加報告
2024年6月5日~7日にNGO主催でジュネーブにて「ICDE Leadership Summit 2024」が開催されました。“Ethical Leadership in the Age of AI: Rethinking Futures of Education”(「AI時代における倫理的リーダーシップとは:教育の将来を再考する」)というテーマのもとで、全体会や分科会が行われました。
1日目(6月5日)には開会式が行われた後、最初のセッションで現ICDE会長のMark Nichols 氏によるAIに関する講演が行われ、次に10名ほどの講演者が各自の国や大学での状況などについて講演を行いました。午後には “AI in Open Education in Asia”(アジアの公開大学におけるAI)と題した分科会セッションが行われ、Wawasan Open University (Malaysia) の Lily Chan 副学長、University of the Philippines Open University (Philippines) の Melinda dela Peña Bandalaria 学長、Hong Kong Metropolitan University の Kam Cheong Li 学部長がそれぞれの大学で行われている取り組みを紹介しました。本学の里見理事もフロワーから発言しました。
2日目(6月6日)は全体会として“AI, creating knowledge(s), teaching and learning”(知・教育・学習を創造するAI)という題の下でのパネルディスカッションが行われた後、分科会が行われました。午後には(主催者側のハイライトでもあると思われた)「Living Letter」を作成するためのセッションが行われ、参加者がAI活用における倫理的原則に基づく提案を出し合ったものが一つのレターとしてまとめられました。この「Living Letter」は教育の将来を形作るための行動を呼びかけるメッセージとして世界中に発信されることが期待されています(https://globethics.net/sites/default/files/media/document/2024-06/ICDE%20LS%202024_LivingLetter.pdf)。
3日目(6月7日)の午前中には全体会として "Towards an ethical framework for AI in education"(教育におけるAI活用の倫理的な枠組みに向けて)と題されたパネルディスカッションが行われ、里見理事も登壇して本学におけるAI活用の方針などについて説明しました。最後のセッションでは、連携機関である UNESCOによる、過去・現在・将来の世界の情勢を見通した上でのAI導入に関する取り組みの紹介などがあった後に閉会となりました。
全体を通して参加者たちは、AIが学生の学びを支援し、教育の個別化を進める可能性がある一方で、その導入に当たっては人間的な要素を保つことが重要であるとの認識を共有しました。また、AIの活用には文化的感受性や倫理的配慮が不可欠であるとされ、国際的な協力が求められました。特に、教育におけるAIの役割に対する責任や偏見の問題が取り上げられ、AIの倫理的な使用を確保するための政策の重要性が強調されました。AI が学習しているデータが文化的に偏ったものであるという点についての危機感の強さは特に印象的でした。
第11回日中韓セミナー開催報告
2024年6月12日~13日、中国北京の家開放大学(以下OUC)主催により、第11回日中韓セミナーが、「デジタル化によるオープン教育を通じた学習社会の構築」(2024 International Conference on Building a Learning Society Through Digitalization of Open Education)を全体テーマとし、開催されました。本学からは岩永学長はじめ6名が参加し、韓国放送通信大学校(KNOU)のSonghwan Ko学長をはじめとして、6名が参加されました。また、国際会議の参加者として、マーク・ニコラスICDE会長をはじめとして5名が招聘されました。
12日には、キャンパス見学およびレセプションが行われました。OUC・KNOUのほか、香港都会大学(以下HKMU)やICDEの参加者とも交流し意見交換を行いました。
13日には、セミナーが開催されました。二つのサブテーマに基づきそれぞれ二つのセッションが行われました。
【第一部】サブテーマ「戦略と趨勢(Strategy and Trends)」
<セッション1>
- マーク・ニコラスICDE会長:「Starting with Open」
- 岩永学長:「Digital Empowerment for Building a Learning Society
<セッション2>
- OUC李松副学長:「Serving the Construction of a Learning Society Through Digital Empowerment for Open Education」
- アシャ・カンワール教授:「The Role of Open University in Building Learning Societies」
【第二部】サブテーマ「実践と創新 (Practice and Innovation)」
<セッション1>
- 中川次世代教育研究開発センター長と青木教授:「Overview of the Next Generation Education Research Center at the Open University of Japan」
- KNOUのイ・ボンミン教授:「Innovative Practices for Lifelong Learning: Insights from KNOU’s Online Exam」
<セッション2>
- OUC外国語学院院長の鄭霽鵬教授:「AI Empowered Large-Scale Personalized Learning」
- OUC学習資源部の李薇部長:「High-Quality Development of Digital Learning Resources: Practice of the Open University of China」
第一部ではOUC王学長とHKMUのLi学部長による開会挨拶がありました。
セッション1では、本学の岩永学長が「Digital Empowerment for Building a Learning Society」というタイトルで、デジタル技術の進歩とその利用による学習社会および生涯学習社会の実現可能性についての基調講演を行いました。
セッション2では、アシャ・カンワール教授から「The Role of Open University in Building Learning Societies」というタイトルで、世界各地における公開大学・公開教育の状況と社会に対する貢献について講演がありました。
第二部では会場を別室に変え、OUC-OUJ-KNOUの三大学によるセミナー(日中韓セミナー)が開催されました。
セッション1では、本学の中川次世代教育研究開発センター長と青木教授が、「Overview of the Next Generation Education Research Center at the Open University of Japan」のタイトルで講演を行いました。中川センター長からは2024年に新たに設置された次世代教育研究開発センターの概要について、青木教授からは同センターのユニットにおける各種研究計画についての説明を行いました。
セッション2では、OUC学習資源部の李薇部長より「High-Quality Development of Digital Learning Resources: Practice of the Open University of China」のタイトルで講演がありました。
その後、KNOUのKo学長より次年度にソウルで開催される第12回の日中韓セミナーに関する案内があり、2日間に渡る日中韓セミナーは幕を閉じました。
詳細につきましては、こちらをご覧ください。(英語・中国語のご案内となります。)
海外受講モニター調査のモニター募集のお知らせ(募集を締め切りました)
放送大学では、日本国外に住む方々へのサービス拡充を検討するため、海外から本学の授業を受講いただくモニター調査を実施しています。
引き続き2024年度第2学期もモニター調査を実施することとなりましたので、モニターとして本学の授業を受講いただける方を募集します。
<調査の詳細>
調査期間
2024年度第2学期(10月1日~2025年3月31日)中
調査内容
- 放送大学の学生として、授業を受講(放送授業・オンライン授業それぞれ1科目ずつ)*1 ※科目は以下から選択していただきます。(別紙1)【教養学部】2024年度第2学期調査対象科目
希望する方は、大学院科目を追加で1科目、計3科目を受講することができます。
(別紙2)【大学院】2024年度第2学期調査対象科目 ※放送授業では単位認定試験に合格した場合、オンライン授業では提出した課題により成績評価が行われ合格した場合は、単位を修得できます。 - アンケート等の調査に回答
モニター期間中の活動の詳細は、以下よりご覧ください。
「海外受講モニター調査・詳細のご案内」
調査人数
50人程度
費用
入学料・授業料・教材発送費用等は本学が負担します。
ただし、教材受け取りにかかる費用(関税等)が生じた場合は、モニターのご負担となります。*2
応募資格
- 調査期間中に日本国外に居住し、国際郵便により連絡が取れる方
- 受講に必要な日本語能力を有する方
- インターネット環境が整っており、PC、タブレット等のインターネットブラウザにより、放送大学のウェブサイトにアクセスできる方 ※インターネット配信視聴の推奨環境については、下記をご覧ください。
- 2024年10月1日現在満18歳以上である方
- 現に放送大学の学生でない方 ※ただし、過去に本学のモニター調査に参加したことのある方は応募可能とします。
応募締切
令和6年7月19日(金)23時59分(日本時間)
対象者の決定時期
モニターとして活動していただける方には、8月上旬頃にご連絡する予定です。
上記の調査の詳細を熟読の上、モニターに参加希望の方は、下記フォームからご応募ください。
*1:一部の国/地域では、オンライン授業の動画等を視聴できない可能性があります。ご自分のインターネット環境で、オンライン授業「体験版」を視聴し、視聴環境に問題がないことを確認の上、ご応募ください。
特に、下記の国/地域にお住いの方は、視聴できない可能性がございます。
- 中国(香港を除く)
- 北朝鮮
- イラン
- キューバ
- インドネシア
(利用制限の可能性)
- スーダン
- シリア
- ロシア
「体験版」にて視聴できなかった方は、本件担当までご一報いただければ助かります。今後の海外展開本格実施のための、貴重な資料とさせていただきます。
また、放送授業のインターネット配信についても、一部の国/地域で、不安定であることが報告されています。予めご了承ください。
*2:下記の国/地域では、テキストの受取りに関税がかかる可能性があります。(下記以外の国/地域でも、関税がかかる可能性があります)
<欧州>
オーストリア共和国、スウェーデン王国、スペイン王国、ドイツ連邦共和国、デンマーク王国、フランス共和国、ハンガリー、ベルギー王国、ポーランド共和国、
<アジア>
インドネシア共和国 ※金額は、欧州は国により異なり、数百円~5000円程度、インドネシアは、100円程度。
<個人情報について>
本調査に応募される方の氏名、住所、及び履修に関する内容などの情報は、本調査に必要な連絡のほか、印刷教材等の送付、本学からのお知らせやアンケート調査、本学の業務活動に限って使用します。
性別、職業、最終出身校、在住国などの情報は、統計資料として分析の上、パンフレット等への掲載に使用しますが、氏名、住所等の個人情報は掲載しません。
(お問い合わせ)
放送大学学園・海外受講モニター調査チーム
E-mail : zaigai-info@ouj.ac.jp
報告
国際シンポジウム
放送大学では高等教育・生涯教育における活発なICT活用、学生および教員に対する情報リテラシー教育及びその在り方について、国内外の専門家・研究者を交えて講演・討論を展開する国際シンポジウムを開催しています。
過去の国際シンポジウムの詳細へはこちらから
交流および加盟団体
交流協定締結校
2023年10月現在、海外12の公開大学等との交流協定を締結しています。
加盟国際団体
放送大学では諸外国との交流推進のため、下記の団体に加盟しています。
本ページに関するお問い合わせ
国際連携係 Eメールアドレス:kokusai@ouj.ac.jp