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クッライ・ヤームル(Kutlay Yagmur)教授

顔写真

紹介

クッライ・ヤームル (Kutlay Yagmur) 教授は、文化の多様性と包摂的な社会、多言語使用と生徒たちの学校での達成度に関心を持つ教育言語学者です。社会言語学を基盤とし、言語接触が言語、社会、文化、さらに複数の文化間の関係にどのような影響を与えるかを明らかにしようとしています。これまでに、移民言語の維持とホスト社会の言語への移行、移民のホスト社会文化への適応志向、バイリンガリズム、学校教育における達成度、そして多言語使用に関する多くの論文を発表しています。近年では、政策として見た場合の多様性と社会的包摂に焦点を当てつつ、特にヨーロッパにおける多言語政策の策定と施行に注目しています。ヤームル教授自身は、多様性を維持した統合の提唱者です。現在は、数人の博士課程の学生とともに、親、学校、言語政策、多言語話者の子供、教師といった要因間の関係を調査しています。そのなかで、当面の目標は、家庭内言語についての親たちの考え方のコミュニティ間の相違、さらに、多言語使用に対する教師の態度を明らかにすることです。その成果は2025年にパルグレイブ・マクミラン社から出版される予定です。

発表タイトル

高等教育における多様性政策の推進: オランダのインクルーシブ教育プログラムが目ざしたもの

発表要旨

西ヨーロッパの他の全ての国々と同じく、オランダも人口構成の大きな変化を経験しつつあります。いわゆるオランダ人の人口が増加しない中で、経済成長を維持し、福祉水準を維持するため、国は毎年新しい移民を必要としてきました。1970年代や1980年代には、移民労働者は「ゲスト(一時滞在の)労働者」と考えられていましたが、現在では4世代目の子孫がいます。これは課題と機会をもたらします。教育機関は言語の多様性に対処する方法を見つけなければなりません。教育とトレーニングにおける単一言語アプローチは、多言語が話される学校で必ずしも良い結果を生み出さず、移民のルーツを持つ生徒の多くは、職業教育など社会的評価の低い進路に流れます。また、移民の背景を持つ生徒の成績不振は、いわゆるオランダ人の生徒に較べ顕著です。その結果、移民の失業率は高くなり、国は国内にある多様な才能を活用することができません。私の講演では、社会的に重要なこれらの問題を二部に分けて取り上げます。最初の部分では、統計データに基づきつつ、移民のルーツを持つ生徒や学生の学業成績が低い原因について説明します。初等教育と中等教育の問題が効果的に対処されていないため、高等教育機関への進学が限られています。講演の後半では、インクルーシブ教育の目標に沿って、高等教育機関とオランダ科学財団が移民のルーツを持つ若者の能力向上のため講じた対策を紹介します。オランダ教育省とオランダ科学財団の政策立案者たちは、成長と持続可能性のために、オランダの高等教育が身近にある多様な才能を活用する必要があることを認識しています。移民のルーツを持つ若者の能力向上のためのMOSAICプログラムの目的と成果について説明します。講演の最後の部分では、教育の国際化のためのオランダの組織である NUFFIC について簡単に説明します。 NUFFIC は、多様な背景を持つ学生に支援と助言を提供するために、国際協力を推進しています。最後に、オランダ公開大学 (OUNL) が移民の背景を持つ人々をどのように支援しているか説明します。OUNLは、包摂的ポリシーにより、多様な背景を持つ人々が高等教育を受けられるようにリソースを投入しています。