Vol.2 ヒューマンコンピュータインタラクションの研究

浅井紀久夫准教授(情報コース・情報学プログラム)

2014年4月1日

ヒューマンコンピュータインタラクションの研究
放送大学にある没入型VRシステム

ヒューマンコンピュータインタラクションを漢字で書けば、人間電脳相互作用となるでしょうか。こう書きますと、何か怪しい研究をしているような印象を受けますが、人間とコンピュータとの相互交流のやり方を探求する研究分野です。端的に表現すれば「使いやすいシステムを考える」となるのでしょうが、大きさや形状といった物理的側面だけではなく、人間の情報処理能力や知覚特性にも配慮したデザインにします。

実際に形にするものづくりに拘って研究を進めています。ものづくりには技やノウハウが詰まっており、作る人の心が宿ります。人間の行動を検出するセンサと、情報を人間に提示するマルチメディアとを巧みに組み合わせることにより、人間とコンピュータをつなぐもの(インタフェース)を作り、新しい価値を与えます。

写真は、放送大学に構築している没入型VR(バーチャルリアリティ)システムです。立体視映像と立体音響でユーザを囲い、あたかもそこにいるような感覚を提供します。こうしたシステムを複数、ネットワークでつないで、臨場感を伴った遠隔コミュニケーションの実現を目指しています。

これに関連し、現実世界に仮想物体を融合する拡張現実感にも興味を持っています。拡張現実感環境では、現実物体と一体化した情報の操作ができるようになるため、触知感覚を伴ったインタラクションが可能です。科学館展示などに応用することを念頭にシステム開発を行っています。