Vol.9 目は口ほどにものを言う?
小川俊樹教授(心理と教育コース・臨床心理学プログラム)
2014年8月15日
私の専門は臨床心理学ですが、特にどのような研究をと問われた場合、表題のように答えています。「目は口ほどにものを言う」とは、広辞苑によれば「情をこめた目つきは、口で話す以上に強く相手の心を捉える」という意味だそうですが、私の場合は口で話してくれなくても、見えたものが心を語ってくれるという意味です。
インクを垂らして出来上がったインクブロットを提示して、それをどのように見ているかから、その人の心理的特徴を理解しようとする心理アセスメントはインクのしみ検査と呼ばれて、世界中で数多く発表されています。その中でもスイスの精神科医ヘルマン・ロールシャッハによって作成されたインクブロットが国際的に広く用いられており、ロールシャッハ・テストと呼ばれています。このテストが最も採用されている理由は、作成されたインクブロットが適当にいくつかのものに見えるという多義性を十分に備えているからで、ある意味芸術作品と言えるのではないかと思います。
【学生の声】
月に1回、M1とM2合同でアットホームな雰囲気のゼミが開かれています。1人で行き詰ることなく、新しい視点を得て研究を進めていくことができます。特に、入学1年目は先輩方の体験談を聴けたことで、修士課程2年間の見通しを持つことができ不安が和らぎました。
毎回ゼミの後は、小川先生を囲んで昼食をとりながら、さらに交流を深めています。私たちにとって、ゼミは大変なことも喜びも共有できる仲間に出会える場です。(M2一同)