Vol.14 Hard Funなゼミを目指して

加藤浩教授(情報コース・情報学プログラム)

2015年3月2日

私の専門は教育工学で、とくに協調学習の支援の手法やツール、および評価について研究をしています。教育工学という分野は、非常に学際的であり、情報学、数学、計算機科学、社会学、心理学、哲学などさまざまな学問領域の知識が必要になります。その経験のおかげか、学生の修論のテーマも教育はもとより、サイエンスコミュニケーションから船舶通信まで多彩ですが、いろいろな人の力を借りながらも、なんとか指導をしています。

加藤ゼミ 2014年12月
加藤ゼミ 2014年12月

私が専門としている社会文化的学習理論の中に正統的周辺参加という理論があり(詳しくは「eラーニングの理論と実践('12)」第9回をご覧ください)、それによると学習は個人の頭の中で起こることではなく、学習者がコミュニティに参加してアイデンティティを確立していく過程であるとしています。私もそういう学習観ですので、研究ゼミというコミュニティへの参加を重視しています。ゼミは月に1回、可能な人は対面で、遠隔地の人はWeb会議システムで参加してもらっています。

その他にも、私の研究室にゆかりのある人びとが自主的に集まるゼミを毎週金曜日の夜に行っており、時間が許す人にはそちらにも参加してもらっています。研究は楽しくないとやる意味がないと考えていますので、ゼミでは、楽しく自由闊達な意見交換ができる雰囲気を大事にしています。「たいへんだけれど楽しい」ことをHard Funといいますが、それを目指して研究室を運営しています。