公認心理師国家試験の受験資格を得るための条件を満たすには、公認心理師になるための必要な科目の単位を修得する必要があります。必要な科目の単位修得方法は、法施行日以降(放送大学の場合は2017年度第2学期以降)に大学に入学するか(通常ルート)、法施行日前日(放送大学の場合は2017年度第1学期)までに大学(大学院)に在学中、若しくは卒業(修了)しているか(経過措置ルート)によって異なります。
経過措置ルートについては、こちらをご覧ください。
2017年度第2学期以降に大学に入学する場合は、【通常ルート】(A・Bルート)での受験資格取得方法となります。【通常ルート】で公認心理師の受験資格を満たすには、「法第7条第1号及び第2号の省令で定める科目」(必要な科目)の単位修得が必要です。
「公認心理師法」で定められている公認心理師の通常ルートにおける受験資格は、以下の3つです。
「必要な科目」は、大学では25科目、大学院では10科目の単位を全て修得する必要があります。
また、「必要な科目」は当該大学から文部科学省及び厚生労働省へ申請し、「国の確認」を受けている必要があります。「国の確認」を受けていない科目は公認心理師の受験資格取得に利用できません。
※〔 〕は閉講科目です。
学部段階での公認心理師対応カリキュラムを修了するには、2017年度第2学期以降に全科履修生として入学し、「大学における必要な科目」の単位を全て修得して卒業する必要があります。
「大学における必要な科目」の単位を全て修得せずに卒業した場合、不足単位を科目履修生や選科履修生として履修するだけでは公認心理師の受験資格の要件を満たすことはできません。
公認心理師法には、「大学における必要な科目」を修めてから「大学院における必要な科目」を修めるという順番で記載されています。
大学院のカリキュラムを修了した後に学部のカリキュラムを修了するという順番では、受験資格を得ることはできませんので、ご注意ください。
公認心理師の学部段階でのカリキュラムを修了するには、「大学における必要な科目」の単位を全て修得して卒業することが必要ですが、卒業する学部・コースは問われません。
たとえば、「心理と教育」コースを卒業している場合でも、全科履修生として他のコースに再入学し、「大学における必要な科目」の単位を全て修得して卒業すれば、要件を満たすことができます。
ただし再入学の場合には、以下の点にご注意ください。
再入学するコースが「心理と教育」コースの場合、修業年限の2年を超えると、「大学における必要な科目」の単位を全て修得する前に卒業要件を満たして卒業となる可能性がありますので、注意が必要です。
2018年度第2学期以前に修得した科目の科目名が、対応科目の科目名と開設年度までを含めて完全に一致する場合は「大学における必要な科目」として認められるため、再び修得する必要はありません。
「大学における必要な科目」として認められる科目(2018年度第2学期以前開設科目)
「心理学概論(’18)」、「心理学研究法(’14)」、「心理学実験1」、「心理学実験2」、「心理学実験3」、「発達心理学概論(’17)」、「人体の構造と機能(’18)」、「疾病の成立と回復促進(’17)」「大学における必要な科目」として認められるのは、放送授業は開設年度までを含めて科目名が完全に一致する科目のみです。心理学実験の科目名には開設年度がありませんので、単位の修得時期は問われません。
「大学における必要な科目」として認められるには、「大学における必要な科目」の科目名と対応科目名が一致している必要があります(一部例外あり)。「大学における必要な科目」の21「人体の構造と機能及び疾病」の放送大学対応科目は、以下の2科目セットでの認定となるため、2019年度より副題を付けた科目名に変更しております。ただし、副題の有無に関わらず、同一の科目として扱われます。
放送大学のシステムWAKABAや、成績・単位修得証明書には副題が表示されませんが、公認心理師試験を受験する為に必要な「科目履修証明書」には、副題付きの科目名が表示されます。
放送大学では、他大学で修得した単位について、科目ごとの読み替えは行っておりません。よって、入学後に「大学における必要な科目」の放送大学対応科目を新たに単位修得する必要があります。
実習施設は、首都圏で放送大学が用意します。
遠方にお住まいの方が24「心理演習」25「心理実習」を受講する場合、放送大学幕張本部敷地内にある安価な宿泊施設(セミナーハウス1泊2,200円~)の利用が可能です。
編入学で3年次入学した場合の卒業までに必要な学費例
(既修得単位認定62単位の場合)
既修得単位認定審査等手数料10,000円
+ 入学料(全科履修生)24,000円
+ 62単位×5,500円
+ 「心理演習」「心理実習」選考試験受験料30,000円(予定)
+ 「心理実習」実習費50,000円(予定)
= 455,000円
全科履修生として1年次から入学した場合の卒業までに必要な学費例
(1年次入学の場合、卒業に必要な124単位の修得が必要です)
入学料(全科履修生)24,000円
+ 124単位×5,500円
+ 「心理演習」「心理実習」選考試験受験料30,000円(予定)
+ 「心理実習」実習費50,000円(予定)
= 786,000円
波田野 茂幸 准教授(放送大学専任教員・公認心理師・臨床心理士)
2001年に放送大学大学院臨床心理学プログラムにて臨床心理士養成を始めてから、19年が経ちました。この間に幅広い分野で活躍する臨床心理士を輩出することができました。この経験を活かし、放送大学では2019年度から学部段階での公認心理師対応カリキュラムを開始しています。
公認心理師は、心理査定と心理援助等に関する心理学上の専門性を活かし、他の専門職と協力をしながら援助にあたる役割が期待されています。
そのためには、適切なコミュニケーションや対話が行えることも重要です。心理演習では実践現場で求められる態度や倫理を学び、話を聴くことや伝えることの基本的練習をします。また、演習では心理実習での医療・福祉・教育・司法・産業の5分野見学に向けた問題意識や観点を作ります。いずれも本部専任教員が責任をもって引率指導を行います。
様々な心理的困難や苦悩を抱えている方々へしっかりと向き合い、主体性を大切にしていける公認心理師の養成を放送大学ではめざしていきます。
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