1.「大学における必要な科目」について
2.24「心理演習」25「心理実習」について
3.既に大学を卒業している場合について
認定心理士
認定心理士は、心理学に関する標準的基礎知識と基礎技術を修得していることを、「公益社団法人日本心理学会」が認定するものです。臨床心理学に限定せず、心理学の幅広い分野に関する大学の学部レベルの知識と技術を修得していることを日本心理学会が認定するもので、職業に直結する資格ではありません。認定心理士の申請条件は、「大学を卒業して学士の学位を取得していること」及び「大学で心理学に関する科目を36単位以上修得していること」となっています。資格取得のために、大学院に入学したり、試験を受けたりする必要はありません。
臨床心理士
臨床心理士は、臨床心理学の知識や技術を用いて心理的な問題を扱う専門家です。内閣府が認可する「公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会」が、専門のカリキュラムを備えた大学院修了者を対象として受験資格を与えています。放送大学大学院は、上記「日本臨床心理士資格認定協会」が認定する第2種指定校となっていますので、大学院「臨床心理学プログラム」を修了した後、1年間の心理臨床実務経験を経た時点で、臨床心理士資格審査(筆記試験+面接試験)の受験資格を得られます。
公認心理師
公認心理師は2015年に成立した「公認心理師法」に基づく、心理職の国家資格です。2018年9月に実施された第1回目の国家試験以降、合格者の登録によって資格取得者が誕生しています。公認心理師の職域は、臨床心理士同様、教育分野、医療・保健分野、福祉分野、司法・矯正分野、労働・産業分野など多分野にわたると思われます。また、臨床心理士は5年毎の更新が必要ですが、公認心理師は更新不要です。
公認心理師になるには、公認心理師試験を受験して合格し、公認心理師として登録する必要があります。公認心理師の受験資格の条件を満たすには、公認心理師になるための「必要な科目」の単位を修得する必要があります。「必要な科目」の単位修得方法は、法施行日(2017年9月15日)以降(放送大学の場合は2017年度第2学期以降)に大学に入学するか(通常ルート)と、法施行日前日(放送大学の場合は2017年度第1学期)までに大学(大学院)に在学中、若しくは卒業(修了)しているか(経過措置ルート)によって異なります。
公認心理師の国家試験は、年1回、一般財団法人日本心理研修センターが実施します。受験手数料は28,700円で、合格後の登録手数料は7,200円、登録免許税は15,000円です。出題形式は、全問マークシート形式です。各ルートの受験資格については、日本心理研修センター発行の「受験の手引き」をご確認ください。
公認心理師試験は、受験科目の免除はありません。
公認心理師は、受験資格を満たす方が公認心理師試験を受験し、合格後に公認心理師登録簿に登録をされて初めて公認心理師となります。心理職の資格を持っていたとしても、自動的に公認心理師にはなれません。
公認心理師は個人申請の資格です。放送大学では受験資格があるかどうかの判断は行っておりません。
厚生労働省のホームページに公開されています。詳しくは、こちらをご確認ください。
公認心理師法施行規則で指定された科目です。公認心理師対応カリキュラムの「大学における必要な科目」は、25科目が定められています。「大学における必要な科目」は、科目ごとに求められている「含まれる事項」を含んでいる科目である必要があります。また、文部科学省・厚生労働省に開講科目確認書を提出し、国の確認を受けた科目である必要があります。詳しくは、こちらをご確認ください。
順次開講し、2022年度に全て開講予定です。
6「心理学実験」について
6「心理学実験」の放送大学対応科目は面接授業のため、2科目の単位修得が必要です。「心理学実験1」「心理学実験2」「心理学実験3」「心理学実験1(web)」「心理学実験2(web)」「心理学実験3(web)」の中から、任意で2科目を単位修得してください。
21「人体の構造と機能及び疾病」について
21「人体の構造と機能及び疾病」は、「人体の構造と機能(’18)‐人体の構造と機能及び疾病A‐」と、「疾病の成立と回復促進(’21)‐人体の構造と機能及び疾病B‐」または「疾病の成立と回復促進(’17)‐人体の構造と機能及び疾病B‐」のいずれか1科目、合わせて2科目の単位修得が必要です。
上記以外の科目について
6「心理学実験」、21「人体の構造と機能及び疾病」以外の放送大学対応科目は、全て1科目です。
24「心理演習」25「心理実習」を除く、「大学における必要な科目」は全科履修生だけではなく、科目履修生や選科履修生でも履修することができます。ただし、公認心理師の学部段階でのカリキュラムを修了するには、2017年度第2学期以降に全科履修生として入学し、「大学における必要な科目」の単位を全て修得して卒業する必要があります。科目履修生等で修得した単位は、全科履修生として再入学した際に、卒業に必要な単位として通算されます。
24「心理演習」25「心理実習」を受講するには選考試験があり、選考試験を合格した方でないと受講できません(受講者定員30名)。また、24「心理演習」25「心理実習」は全科履修生しか受講できません。詳しくは『2.24「心理演習」25「心理実習」について』の項目をご覧ください。
履修可能ですが、2017年度第1学期までに全科履修生として入学している場合と、2017年度第2学期以降に全科履修生として入学する場合では、受験資格を満たすためのルートが異なります。
2017年度第1学期までに全科履修生として入学している場合には、経過措置ルート(E・Fルート)が適用され、経過措置ルートは通常ルートよりも少ない科目の単位修得で要件を満たすことができます。通常ルートの「大学における必要な科目」は25科目全ての単位修得が必要ですが、経過措置ルートの「経過措置対応科目」は12科目の単位修得で要件を満たすことが可能です。よって、経過措置ルート該当者は、「経過措置対応科目」の修得をお勧めします。
履修の順番はありません。2022年度までは準備が整った科目から開講されますので、開講された科目の中から履修してください。ただし、24「心理演習」25「心理実習」を受講するには、選考試験に合格する必要があり、選考試験の受験資格である必須科目については、選考試験を受験する年度の第1学期までに単位修得し終えるように、優先して履修することをお勧めします。
一次選考は筆記試験、二次選考は放送大学幕張本部で面接試験を予定しています。選考試験受験料は30,000円を予定しています。
24「心理演習」25「心理実習」の受講定員は30名を予定しており、一次選考の合格者数は、受講定員の2倍程度を予定しています。
初回の選考試験の実施は、2021年秋頃を予定しています。次年度以降も、毎年度秋頃実施を予定しておりますが、詳細は未定です。
選考試験を受験する年度の第1学期までに「大学における必要な科目」16科目以上の単位を修得する必要があります。また、16科目のうち、次の7科目は必須科目となります。1「公認心理師の職責」、2「心理学概論」、3「臨床心理学概論」、14「心理的アセスメント」、15「心理学的支援法」、16「健康・医療心理学」、23「関係行政論」(受験資格要件は放送大学の学内における制度であり、「大学における必要な科目」も放送大学の対応科目を修得している必要があります)。上記以外に求められる受験資格要件はなく、選考試験は学籍が無くても受験可能です。
選考試験の試験範囲は「大学における必要な科目」の24「心理演習」25「心理実習」を除く23科目です。ただし、10「神経・生理心理学」は2022年度開講科目のため、初回試験(2021年度)の試験範囲から省きます。
全科履修生のみ受講可能です。選考試験に合格した翌年度の第1学期に全科履修生として入学、若しくは在学していることが必要です。
選考試験合格の翌年度に15名×2組で4日間、幕張本部で実施予定です。演習費は不要ですが、授業料11,000円が必要です。修得単位数は2単位となります。
選考試験合格の翌年度に、6名×5組、2日間を5回(のべ10日間)の実施予定です。国からの通知によると、実習先は主要5分野の施設(保健医療、福祉、教育、司法・犯罪、産業・労働)において、見学等による実習を行いながら、当該施設の実習指導者又は実習担当教員による指導を受けるべきとされています。ただし、当面の間は、医療機関での実習を必須とし、医療機関以外の施設における実習については適宜行うこととしても差し支えないとされています。
実習先については、首都圏で放送大学が用意する予定です。また、授業料11,000円の他に、実習費50,000円(予定)が必要です。修得単位数は2単位となります。
実習は5分野の施設に行くので、選考試験を受験した年度の第2学期(24「心理演習」25「心理実習」を受講する年度の前学期)までに5分野に関係する科目を履修しておくことをお勧めします。具体的には、選考試験の受験資格である必須科目の単位修得に加え、17番の「福祉心理学」、18番の「教育・学校心理学」、19番の「司法・犯罪心理学」、20番の「産業・組織心理学」、22番の「精神疾患とその治療」の5科目の履修をお勧めします。
卒業後に科目履修生や選科履修生として「大学における必要な科目」 の不足分を単位修得するだけでは学部段階でのカリキュラムを修了したことにはなりません。要件を満たすには、全科履修生として別コースに再入学し、不足している「大学における必要な科目」の単位を全て修得し、卒業要件を満たして卒業する必要があります。
できません。他大学等で修得した単位は、全科履修生出願時に審査(既修得単位認定審査等手数料10,000円がかかります)のうえ、放送大学の卒業に必要な124単位のうち最大62単位まで認定可能です。ただし、放送大学では他大学等で修得した単位について、科目ごとの読み替えは行っておりません。よって、編入学後に「大学における必要な科目」の放送大学対応科目を新たに修得し、卒業する必要があります。
※既修得単位認定については、必ず最新の学生募集要項でご確認ください。
できません。学部と大学院のカリキュラムを修了する順序が法律で定められています。大学院を修了した後に、学部段階の公認心理師カリキュラムを修了することや、学部と大学院のカリキュラムを並行して履修しても受験資格を得ることはできません。必ず学部段階のカリキュラムを修了した後に、大学院に入学し、「大学院における必要な科目」を履修して修了してください(放送大学大学院のカリキュラム開設は現在検討中であり、今後の対応については現時点では未定です)。
「経過措置対応科目」とは、「必要な科目」のうち特例で定められた科目です。通常ルートの「必要な科目」は、国の確認が必要でしたが、「経過措置対応科目」は、含まれる事項を含んでいるかどうかを各大学等で判断することとなっています。また、「大学における必要な科目」は25科目、「大学院における必要な科目」は10科目全ての単位修得が必要ですが、「経過措置対応科目」は、学部段階は12科目、大学院段階は6科目の単位修得で要件を満たすことが可能です。
「大学における必要な科目」のうち、通常ルートの1「公認心理師の職責」及び23「関係行政論」は経過措置ルートでは単位修得が不要です。経過措置ルートでは、1「公認心理師の職責」及び23「関係行政論」を省いた科目に、科目番号が付番されたためです。
満たしたことになりません。「大学における必要な科目」1科目につき、放送大学対応科目は1科目しか認められません(心理演習は面接授業で単位数が1単位のため、2科目必要)。Ⅰの条件を満たすには、「大学における必要な科目」の科目数で3科目以上の単位修得が必要です。
分類Ⅳの修得条件は【⑮~⑲の5科目のうち2科目以上(⑮はⅤでも利用可能。その場合は、⑯~⑲の4科目から2科目以上)】、分類Ⅴの修得条件は【⑳か㉑のどちらか(⑮でも代替可)】とされています。
放送大学対応科目のうち、⑮と㉑の両方に対応している科目があります。しかし、認められるのは⑮か㉑のどちらか1科目のみです。
公認心理師試験の申請までに有効期限が設けられているのは、Gルートのみです。Gルートは、法施行日から5年を経過しない日(2022年9月14日)までに申請が必要です。それ以外のルートに関しては、修得単位の有効期限や、大学卒業・大学院修了の有効期限は設けられておりません。
「経過措置対応科目」を全て修得せずに卒業した場合、経過措置Eルートで受験資格を得ることはできず、通常ルートでの取得方法となります(不足科目のみを科目履修生等で修得しても経過措置Eルートでの受験資格を得ることはできません)。通常ルートにおける学部段階のカリキュラムを修了するには、2017年度第2学期以降に全科履修生として再入学し、「大学における必要な科目」(25科目52単位)を全て修得して卒業する必要があります。
〒261-8586 千葉市美浜区若葉2-11
Tel:043-276-5111 Fax:043-298-4376